CAD上で用紙を設定する場合は、レイアウト空間でサイズの設定をすることが多いと思います。
今回はCAD製図試験における用紙の設定方法、図面の基本的なレイアウトについて説明します。
Contents
用紙の設定方法
試験はモデル空間で作図すべし
CAD製図試験中は一度PDF印刷をして点線の様子を確認する、ということがルール上できません。
通常CADで製図を行う際は「レイアウト空間」で印刷設定をするのが一般的かと思いますが、その場合だとPDF印刷しない限り点線の様子が確認できないので、「モデル空間」で用紙を規定のサイズに従って作ってしまった方が簡単です。
なお、このやり方は課題の縮尺が1:1の場合でないと一工夫必要になってしまうので要注意です。
用紙サイズについて(学科試験対策)
まずは、JIS B0001「機械製図」に規定されている図面サイズについて説明します。
実はこの用紙サイズ、学科試験の頻出問題です!ぜひ覚えておきましょう。

こうやって並べて見ると、用紙サイズの関係が一目瞭然ですね。
A4サイズと用紙サイズの並びだけ覚えておけば、計算で求めることも可能です。
試験のクラスと用紙サイズ
- 1級・・・A1
- 2級・・・A2
- 3級・・・A3
図面の輪郭線
図面の輪郭線については試験問題に都度書かれますが、JIS B0001で定められている規定は以下の通りとなります。
図面の輪郭線は以下の通り(覚える必要なし)
- A0、A1・・・(最小)周囲20mm
- A2~A4・・・(最小)周囲10mm
なお、図面の左側を綴じる場合は、最小20mm
また、輪郭線は0.5mm以上の太さの実線と定められていますので、要注意です。
実際にA2の用紙を描いてみるとこんな感じです。

図面右下に公差や受験番号、氏名を書きます。ここも採点対象なので忘れずに書きましょう。
なお、試験では表面性状や角隅のR加工について図面の空白に書くよう指示されます。
図面レイアウトについて
試験で問われるレイアウト
実技試験では問題文に「主投影図」「平面図」「部分投影図」などと言った言葉で作図を指示されます。
といっても課題図にほぼ同等のものが書かれているので真剣に覚える必要はありません。
ただし、基本的な「三面図(第三角法)」の書き方はマスターしておきましょう。
三面図のイメージは「メインで見せたい面を座標の第三象限に置いて、それを第四象限、第二象限から見た図を描く」というイメージです。

また、試験では「対象図示記号を用いて中心線から左側のみを描くこと。」のように指示されることが多いので、この書き方についてもマスターしておきましょう。

試験の時短テクニック
試験の進め方としては、「モデル空間」に用意した用紙の中で作業する、ことをおすすめします。
私が勉強し始めた頃は枠外で作図して、最後にレイアウトしていく手順を取っていましたが、寸法線を入れ始めると枠内に収まらなくなり、細かな位置修正で時間を食ってしまいました。
こちらも縮尺1:1で使えるテクニックですが、ちょっとした時短テクニックとして紹介します。
コラム 〜三面図で書かずに製作ミス〜
私が作図した製品で起こした不適合について紹介します。
製作して欲しかったものは、H鋼を曲げて端部は溶接できるように開先を取る、というものでした。
開先には向きがあるので、確実に溶接できるよう、注意して指示する必要があります。一方単純なH鋼なので、現場の人からしたら「向き」はぱっと見でわからないんですよね。
そこは設計者として確実に図面で指示すべきなのですが、いわゆる矢視記号で方向を指示して「三面図」で図面を描いていませんでした。さらに悲しいことに、その矢視記号の向きが間違っていました・・・。
結局、間違ったまま製作されてしまい、現場で組み立てるときに開先が合わず溶接できない、というトラブルが発生してしまいました。
図面の基本的な書き方って大事です!「三面図」、マスターしましょう。
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