2級の試験では必ず出題される「幾何特性」と「データム」について説明します。
正直私はデータムが苦手だったので、なかなか覚えられませんでした。
とはいっても、図面への書き方は決して難しくはないので、点数を落とさないようここでマスターしてしまいましょう。
本記事は基本的な内容なので、こちらの記事も合わせて読んでみてください。
Contents
幾何特性とは?
幾何特性の定義
JIS Z8114「製図-製図用語」によると、「幾何特性」とは「形体、姿勢、位置及び振れを規制する特性」です。

・・・。
まあ・・・言葉は別に覚える必要はありません。公差に関する話なんだな、と理解してください。
ちなみに、「形体」とは「幾何公差の対象となる点、線、軸線、面及び中心面」と定義されています。
幾何特性の種類と記号
幾何特性についてはJIS B0021「製品の幾何特性仕様(GPS)」に詳細な説明があります。ここでは試験で使う幾何特性の種類を紹介します。
数が多いので、試験でよく見るものを黒字、優先順位の低いものを灰色にしました。黒字は最低限覚えたいですね。
ちなみに、幾何公差については学科試験でも問われることがあります。
例えば、
「位置度、同軸度、同心度及び対称度は、位置公差である。」
これのほかに選択肢があり、正しいものを選択する、といったような感じですね。「公差の種類」と「特性」の関係を紐付けて覚えておけばOKです。
それぞれの幾何特性が持つ意味について以下の記事で解説しています。
イメージを持つことで理解がぐっと深まるので、ぜひ読んでみてください。
形状公差
姿勢公差
COMING SOON…
位置公差
COMING SOON…
振れ公差
COMING SOON…
データムとは?
データムの定義
JIS Z8114「製図-製図用語」によると、「データム」とは
「形体の姿勢公差・位置公差・振れ公差などを規制するために設定した理論的に正確な幾何学的基準」
です。

・・・。
難しい言葉使わないで欲しいですよね、こういう基準となる資料って。
解説します。ざっくり言うと
「『ここ』は絶対合ってるでしょ、というところを基準に、他の面がどれだけズレて良いか決めるときの、『ここ』」
がデータムです。
実際の現場では、「定盤に乗せる面」のイメージでしょうか(基準とできるから)。
※「定盤に接している」というのは一例であり、データムは様々な面や線に指定できます。
データムを指定する目的
データムを指定する目的は、
「垂直って言ったって、何に対して垂直?」
「図面上はAとBは平行な面だけど、実際の製品は厳密には平行とは言えないから、基準にできないのでは?」
と言ったように、「そもそもの基準をどこに定義するか」明確にするためにデータムが必要となります。
寸法検査を実施する際にも、基準の位置って大事ですよね。
データム記号
データム記号そのものは非常にシンプルで、下図のような記号です。
データム記号は図のように三角形とアルファベットで表現され、問題文で指示されている位置にデータム記号を設置します。
なお、三角形は塗りつぶしても塗りつぶさなくてもOKですよ。
【例題】直角度をデータムを使って定義する
下図のような形状で、問題文が
「A面をデータムとし、B面の直角度は、0.01mm離れた平行平面内にある。」
のように出題されたとします。
その場合は、図のようにA面にデータム記号(アルファベットは任意)と、それに対する「幾何特性記号+公差+データム」をB面に書けばOKです。
(B面の左右にある平行な二平面は書かなくてOKです。意味を伝えるために書きました。)
データム記号を書くときの注意点
データム記号を書く際の注意点について説明します。
データムは・・・
- 同じ基準面や線に複数配置しない
- 中心線に配置しない
- 紙面の下辺から記号が読めるように配置する
感覚的に違和感のある配置はルール上NGですね。
また、すべての幾何特性にデータムがつくわけではありません。
上の表のように、形状公差にはデータムがつかないので要注意です。
(問題文でもデータムの指示がないので、迷わずデータムは「なし」でOK。)
まとめ
以上の内容でまずは「幾何特性って何?」「データムって何?」という話をざっくりと理解頂けたかと思います。
これらはイメージさえ正しく持てば、問題文に対する回答(図面への書き方)そのものは非常に簡単です。
答えは問題文に書いてあるとおりなので、しっかりとマスターして失点を防ぎましょう。
以下のポイントで出題されます。
幾何特性については、公差の種類と特性の組み合わせについて学科試験で出題
データムについては実技試験で問題文に書かれるので、正しい記号を使って図面に表現
本記事では「何を覚えれば良いの?」という方針が見えてくればOKです。
それでは、また次回!
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